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「恥の多い生涯を送ってきました」
ぼくは人を不幸にする人間なのかもしれません。
そんなことを最近思うわけです。
なんとなく人間失格の葉蔵に自分の姿を重ねてしまいます。
葉蔵は極端な小心者で自分の感情を悟られないために
幼少の頃から、道化(ピエロのような役割)になるという手段をとって
みんなを笑わせたり、楽しくないのに楽しいふりをして生きました。
葉蔵は女性に惚れられることが多い男でしたが葉蔵と一緒になった女は幸せにはなれません。
ぼくは自分がモテるとは思いませんが少なからずぼくに好意を持ってくれる女性はいました。
ぼくはその女性たちのことがわからないのです。
勝手に好きと言って近づいてきて
勝手に去っていく。
「こんなに好きなのになんで受け入れてくれないの」
「嘘つき」
毎回毎回終わりはこんな感じです。
「あなたは愛を知らない」
「あなたは人を好きになったことがない冷たい人間」
そう言われたこともあります。
ぼくといたら不幸になる。
ぼくはそういう人間なのでしょう。
だから泣かないで。
わかってもらえるとは思いません。
でもぼくも寂しいのです。
いまの自分には、幸福も不幸もありません。
ただ、一さいは過ぎていきます。
幸福と感じていようが不幸と感じていようが
ただ、一さいは過ぎていきます。
人間、失格。
もはや、自分は、完全に、人間でなくなりました。
この作品を書きあげた後、太宰治は自らの命を絶ちました。
人間失格は太宰治の遺書ともいえる作品です。
あなたもぼくのように鬱に浸りたい夜はぜひ太宰作品を読んでください。
日本文学史上異彩を放つ名作です。