シンチャオ!元警察官HOCでございます。
「警察官は楽しいですか?」
当ブログの読者からそんな質問を頂きました。
これは非常に難しい問いです。
答えを出すまでに数世紀を要するかもしれません。
9年警察官をやっていましたが
正直「つらい」「しんどい」と思ったことのほうが
「楽しい」と思うことより100倍多かったのですが
それでも「楽しさ」や「やりがい」がなければ9年も続けられなかったとも思います。
周りはどうなったかと考えて見ると
「警察官楽しい!最高!!」
という人はほとんどいませんでした。
しかし、他の職種に転職したいと言う人もまたあまりいません。
単に警察官から異業種への転職は難しいと思っているだけかもしれませんが
一概に警察官はつらいだけというのは安易です。
ボクは事件が多く忙しい場所しか体験していませんが
そうでない警察官は
「こんな楽してお金もらっていいの?」
と感じているかもしれません。
警察官にかかわらず
あることについてそれを「楽しい」と思うかどうかは
必ず個人差があります。
それを承知で本記事では警察官の楽しさについて
主観的な意見ではありますが考察していきたいと思います。
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楽しいことは確かにある!
個人的には好奇心が旺盛な人は警察官に楽しさを見いだせるのではないかと思います。
色んな場所に入れる
例えばボクは普通の人では
入れない場所に入れることにテンション上がってました。
スーパー、デパート、コンビニ、
居酒屋、レストラン、パチンコ屋・・・
事件があったときには人目のある場所で話を聞くわけにもいかないので
各店舗の裏側、従業員控室とかを見ることができます。
ボクは飲食関係のバイトをほとんどしたことがなかったので
店長の部屋で「前年比売上10%アップ!必達!!」みたいな張り紙を見たときは
お店の裏側を見れたような気がしてなぜかテンション上がってました。
さまざまな事件を通していろんな人の話を聞けるので
勉強になることもたくさんありました。
警察官ほど色んな職種の人と話せる職業は珍しいのではなかろうか・・?
警察官が呼ばれるということはなにか事件が起こったときなので
そこで「楽しい」と感じることは不謹慎かもしれません。
警察官は自殺の現場、死亡事故の現場にも臨場しますので
良いか悪いかは別として
そこでも普通の職業では一度も体験することのできない体験ができます。
他の例としては、例えばこんな通報があります。
夜中の2時。学校で異常発報。
窓ガラスが割られていて何者かが学校に侵入した形跡あり。
こんな現場は震えます。
誰よりも早く現場に急行し、警棒を把持して校内をパトロール。
どこかに人がいるかもしれない。
音楽室とかトイレで幽霊が出るかもしれない。
もちろん怖さもありますが
そのドキドキがたまらないんです。
そういう経験も一般の仕事だとなかなかできません。
こんな平和な日本においても
危険と隣り合わせの現場はかなりあります。
その緊張から解放されたとき「脳汁」が出まくります。
限界まで自分を追い込める
他には朝から事件事故が続いて
家に帰れたのは勤務開始から40時間後。
そんなこともザラにあります。
緊張した現場から解放されて
家に帰って風呂に入って、布団で横になる。
そのとき感じることができる解放感、充実感も警察官の醍醐味です。
そもそも40時間拘束されること自体が望ましいことではないですが
愚痴が入ってしまうのでとりあえずそれは置いておきますw
また、警察の仕事に終わりはありません。
事件事故が0になるまでやることはあるのです。
つまりはどこまでも自分の限界にトライすることができます。
例えば交通取締り。
1件だけやるも10件やるも、基本的には自分次第。
ボクは新人のとき上司のパワハラで苦しんでいたので
交番に上司といたくない一心で
ずっと現場に行くか交通取締りをしていました。
24時間勤務でずっと外にいればそうとう肉体的に疲労しますが
パワハラよりはましだと思って交差点に立ち続けました。
結果、勤務成績優秀者として度々表彰を受けました。
このように頑張れば仕事で周りから認めてもらうことも可能ですし
毎日全てを出し切ってヘロヘロで帰宅していたので
無事家に帰ってきたときの充実感はたまらないものがありました。
ドMの発想かもしれませんが
これも警察官の楽しさ?の一つではないかと思います。
基本的にはきつい仕事
しかしながら
基本的には「つらい」という感情に支配されて9年間警察官をやってきました。
そのつらさの根本にあったものといえば「プレッシャー」です。
例えば夏場、現場から汗だくの状態で交番に戻ってきて
「ふぅ」と一息ついて制帽を脱いだとします。
もしも、それをクレーマーにでも見られたら、それだけで
「警察官が制帽を脱いでいいのか!」
と通報されたりします。
「仕事なんだから当たり前だろ、甘えるな」
というのが一般の人の意見だと思いますが、最近は警察官への苦情が行き過ぎてる気がします。
飲み物を買いにコンビニに行っても、自販機で飲み物を買っても
通報されることがあります。
「警察官がジュースを買ってサボってていいのか」
というのが理屈らしいです。
サボってるのではなくただの水分補給なんですが
それすらも認めてくれない人がいるのが現実です。
そんなこんなで制服を着ているときの
「監視されている恐怖」は尋常じゃないものがあります。
ちなみにそういう苦情があると
理由はどうあれ上司に怒られます。
苦情に対して部下を守ってくれる上司は「激レア」なのです。
ボクが警察官になりたてのころは、コンビニの店長さんが
「制服のおまわりさんが(買い物でも)ちょくちょく来てくれると万引き防止になって助かるよ」
と言ってくれたものですが時代は変わったようです。
また、ご飯を食べてるときでも
仮眠しているときでも
現場が入れば現場へすぐ向かう必要があります。
気持ちが休まる時間などありません。
これについても
「仕事中なんだから当たり前だ、誰の税金で飯食ってんだ」
という人がいます。
うん、そうかもしれない。
しかし、休みの日であっても呼び出しがあるんです。
これは部署にもよりますが、やはり刑事はデカい事件があると速攻呼び出しがかかります。
そのときに
「今から映画館で映画をみるところです」とか
「妻を抱いてる最中です」とか個人の事情は通用しません。
プライベートを削ってまで仕事に行き
コンビニに行っただけで苦情がくるような職業ですが
やっぱり人から「ありがとう」と言ってもらえたときに
すべてが報われる気がしますし
それが警察官の「楽しさ」や「やりがい」と呼べるものだと思います。
半分は警察官のつらさの話になってしまいましたが
「警察官の楽しさ」を少しでもわかって頂けたら幸いです。
でわでわ。
警察官採用試験に合格している方は必読!
警察官の「つらい」部分だけを書いた記事がありますので良かったら読んで見てください。